第8回飽きさせない工夫はゲームにもサービスにもある

ゲーミフィケーション

「最初はハマってたのに、今は開いてないアプリ」
誰にでも、ひとつや二つはあるはず。

勉強アプリ、歩数アプリ、ダイエットアプリ、
どれも最初は楽しくて続いていたのに、
だんだん飽きて、気づけば通知を無視している…。

──それは、人間の“慣れ”が原因です。

人は同じ刺激が続くと、次第に反応が薄れてしまう。
だから、うまく続けてもらうためには「少しの変化」を設計する必要があるんです。

「変化」がないと脳は反応しなくなる

心理学では、人が同じ刺激に慣れることを「馴化(じゅんか)」と呼びます。

たとえば:

最初の1日目はワクワク

3日目はまあまあ

7日目には「いつものやつね」

つまり、どんなに楽しい仕組みでも、同じままだと飽きる。

だからゲームやサービスでは、
「少しずつ変わる」「時々違う」という仕掛けを入れて、
人の興味を保ち続けているんです。

ゲームの世界に学ぶ「飽きさせない工夫」

多くの人気ゲームには、次のような“変化”のパターンがあります。

工夫内容
🎁 ランダム性何が出るか分からない楽しみガチャ・ルーレット・毎日のボーナス
🌈 段階的変化少しずつ強くなる・広がるレベルアップ・新マップ・新敵出現
📅 限定要素「今だけ」「今日だけ」期間イベント・曜日ミッション
💬 演出変化音・色・アニメーションの変化クリア演出・ログイン画面の変化

こうした変化があることで、
「昨日と同じことをしているのに、新しい体験」に感じられるようになるんです。

ゲームじゃなくても“飽きさせない設計”は使われている

実はこの工夫、ゲーム以外のアプリやサービスにも広く使われています。

健康アプリ:毎日の目標値やミッションが少しずつ変わる

ポイントアプリ:ログインごとにボーナス内容が変わる

教育アプリ:復習の出題パターンが変化する

お店のアプリ:曜日ごとに特典が違う

こうした“ちょっとした変化”が、ユーザーに新鮮さを与え、飽きを防いでいます。

「予測できそうでできない」が一番楽しい

人は“完全なランダム”よりも、
「なんとなく予想できるけど、ちょっとズレる」くらいが一番楽しいんです。

たとえば:

「明日はどんなボーナスかな?」

「次のレベルでは何が起こるんだろう?」

こうした“少しの不確実さ”があることで、
脳はワクワクを感じ続けます。

ゲームデザインでは、これを「ランダム報酬」や「変動スケジュール」と呼びますが、
日常的には「サプライズの演出」と言っていいでしょう。

飽きない仕組み=“変化のリズム”を作ること

大切なのは、常に変えることではなく、リズムを作ること。

たとえば:

「毎週金曜に新しいクエストが出る」

「毎月1日は特別ログインボーナス」

「連続10日ログインで限定アイテム」

人は“予想できる変化”にも安心感を感じます。
だから、「決まった変化」と「ランダムな変化」を組み合わせるのが理想的。

まとめ

同じことの繰り返しは飽きる

少しの変化で新鮮さを感じる

ランダム・限定・段階的変化が飽きを防ぐ

ゲームもサービスも“変化のリズム”を設計している

こうして見ると、「続けること」と「飽きないこと」は別の話のようで、
実は同じ“体験設計”の両輪なんです。

次の第9回では、
「やりすぎ注意!失敗する“続けさせる仕組み”」をテーマに、
“押しつけすぎた仕組み”がなぜユーザーの心を離してしまうのか、
その危険性とバランスの取り方をお話しします。

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