ゲームを遊んでいると、「○○クリア記念バッジ」や「ランクS称号」など、
努力や実績を“形”として残せる仕組みがあります。
このような「見えるごほうび」は、数字や経験値とはまた違う種類の満足感を生み出します。
なぜなら、それは「がんばった証」だからです。
たとえゲーム内の小さなバッジでも、
「自分の努力が認められた」「誰かに見せたい」
という気持ちを刺激するのです。
心理学的には「承認」と「記録」の仕組み
人は本能的に、「誰かに認められたい」という欲求を持っています。
心理学ではこれを「承認欲求」と呼びます。
バッジや称号は、その欲求を満たす仕組みです。
たとえば:
SNSで「継続○日バッジ」をもらうと嬉しい
フィットネスアプリで「100km達成メダル」がもらえると誇らしい
学習アプリで「習慣王」称号を得ると続けたくなる
こうした“見える記録”は、他人との比較にも、自分の努力の記念にもなります。
「ごほうび」が見えるから、続けたくなる
ゲームでは、称号やバッジは単なる飾りに見えても、
実はプレイヤーを動かす強力なエンジンになっています。
数字で表せない「達成感」や「誇り」を与えることで、
人は“もう少し頑張ってみよう”と思えるのです。
この仕組みを現実に応用すると、たとえばこんな例があります:
読書アプリ → 「今月の読書王」バッジ
歩数アプリ → 「1日1万歩チャレンジャー」バッジ
オンライン講座 → 「修了証(デジタルバッジ)」
こうした“見える称号”があるだけで、継続率は大きく変わります。
見えるごほうびは「見せたくなる」
面白いのは、バッジや称号が共有されるとさらに効果が高まるということ。
SNSやアプリ内ランキングで、自分の実績が表示されると、
「次はもっと上を目指したい」「友達にも勝ちたい」といった感情が生まれます。
この“見せたい気持ち”が、行動をより強く後押しします。
注意点:ごほうびが目的化すると逆効果
ただし、気をつけたいのは、「バッジを取るためだけ」に行動してしまうこと。
そうなると、最初の「楽しい」「挑戦してみたい」という気持ちが薄れてしまい、
義務感だけが残ることもあります。
大切なのは、バッジや称号を「努力を称えるサブ要素」として扱うこと。
“主役”はあくまで自分の成長や楽しさです。
まとめ
バッジや称号は「がんばった証」を形にする仕組み
人の「認められたい」「残したい」という欲求を刺激する
見える成果があると、行動の継続率が上がる
ただし、ごほうびが“目的化”しないよう注意
次回は第15回「ランキング:他人と比べるから燃える心理」。
競争が人を動かすメカニズムと、うまく使うためのコツを紹介します。
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