毎日同じことを続けるのは大変です。
けれど、ある日アプリを開いたら、こんな画面が出ていたらどうでしょう?
「期間限定イベント開催中!」
「今だけ〇〇を集めよう!」
たったこれだけで、普段より少しワクワクした気分になりませんか?
それが、「イベント」という仕掛けの力。
単調になりがちな日常の中に“変化”と“特別感”を生み出すことで、
人の心をもう一度動かすデザインです。
人が“特別”に反応する理由
イベントが人を惹きつけるのには、心理的な理由があります。
1️⃣ 希少性の法則(Scarcity Principle)
「今しかできない」「限定アイテム」があると、価値が跳ね上がる。
2️⃣ 新奇性への反応(Novelty Seeking)
人は「新しいものを探す本能」を持っている。
いつもと違うことを見つけると、脳がドーパミンを放出しやる気が上がる。
3️⃣ リセット効果
“期間限定”という区切りがあることで、モチベーションを再スタートできる。
「次のイベントでは頑張ろう!」という気持ちを作りやすい。
ゲームの中のイベント設計
多くのスマホゲームでは、
「イベント」がユーザーの継続率を支える柱になっています。
たとえば:
季節限定(ハロウィン、クリスマス)
コラボイベント(人気IPと連携)
競争イベント(スコアランキング)
収集イベント(特定アイテム集め)
これらはすべて、
“普段のプレイにちょっとした刺激を加える”ことを目的にしています。
イベントが始まると、
いつもと同じ操作でも「新しい目標」が生まれる。
それがプレイヤーに「もう一度やろう」と思わせる力になるんです。
日常サービスへの応用例
実はこの「イベント設計」、ゲーム以外の世界でもたくさん使われています。
| 分野 | イベント例 | 効果 |
| フィットネスアプリ | 「今週は歩数チャレンジ週間!」 | 運動の再開を促す |
| 学習アプリ | 「期間限定でポイント2倍」 | ログイン率アップ |
| ECサイト | 「タイムセール」「福袋」 | 購買意欲の刺激 |
| 飲食チェーン | 「期間限定メニュー」 | 話題性と再来店促進 |
| 地域イベント | 「スタンプラリー」「ご当地フェア」 | 参加体験の向上 |
こうして見ると、“イベント”はどんな業種にも応用できる
「習慣の再起動ボタン」のような存在ですね。
「いつも」と「特別」のバランスが大事
ただし、イベントを頻繁にやりすぎると、
“特別”が“日常”になってしまいます。
ユーザーが「またイベントか…」と感じてしまうと、
逆にモチベーションが下がることも。
大切なのは、
普段との対比が感じられる
報酬や内容に新鮮味がある
終わった後も余韻が残る
という「リズム設計」です。
“イベントのない日常”があるからこそ、
“イベントのある日”が輝くのです。
イベントを成功させる3つのポイント
1️⃣ 期間を区切る(タイムリミット)
「今やらなきゃ!」という行動トリガーを生む。
2️⃣ 目的をシンプルに(ゴール設定)
「これを達成したら終わり」が明確だと達成感が強まる。
3️⃣ 報酬より“体験”を残す
“限定アイテム”よりも、“イベントでの思い出”が継続につながる。
まとめ
人は「いつもと違うこと」にワクワクする
イベントは「日常にリズムを作る仕掛け」
期間・目的・体験の3点で設計すると効果的
ゲームもサービスも、変化があるから続く
次回は第20回「コレクション要素:集めたくなる心理」。
なぜ人は“コンプリート”したくなるのか?
収集癖の裏にある満足感と、サービス設計への応用を解説します。



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