投稿してしばらくすると、ついアプリを開いて「いいね」の数を確認してしまう。
「反応がないとちょっと寂しい」「コメントがつくとうれしい」──
多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
SNSの中には、「続けたくなる仕組み」が見事に埋め込まれています。
ゲームのような“報酬のループ”が、人の心理を自然と動かしているのです。
「いいね」はデジタルな“ごほうび”
SNSにおける「いいね」や「コメント」は、いわば小さな報酬です。
人は褒められる、認められることで脳内にドーパミンが分泌され、
「もっとやりたい」「次はどう反応されるかな?」という気持ちが生まれます。
ゲームで言えば「報酬」「経験値」「レベルアップ」と同じで、
SNSではその役割を「リアクション」が担っています。
予測できない“リアクション”がクセになる
「いいね」がもらえる数は毎回違います。
たくさん反応がある日もあれば、まったくない日もある。
この“予測できないごほうび”が、実は強力です。
心理学では「変動報酬スケジュール」と呼ばれ、
スロットマシンやガチャなどにも使われる設計です。
「次はもっと反応があるかも」と思うことで、
私たちは自然と投稿を続けたり、アプリを開いて確認してしまうのです。
「ランキング」「バッジ」「シェア」もゲーム要素
SNSには“競争”や“称号”のような仕組みも多く見られます。
フォロワー数ランキング
投稿回数バッジ
人気投稿としての特集掲載
これらはゲームでいう「ランキング」や「トロフィー」にあたる要素です。
つまりSNSそのものが、「人間関係の中で遊ぶゲーム」としてデザインされているとも言えます。
“つながり”が生むモチベーション
もうひとつ大切なのが、他者とのつながりです。
人は、自分の行動が誰かに見られている・認められていると感じると、
行動を維持しやすくなります。
たとえば、
投稿への反応がモチベーションになる
誰かの成功体験を見て自分もやる気が出る
コメントで応援されて続けられる
これらは「フレンド機能」「共闘システム」と同じ構造です。
SNSは、まさに“仲間と続ける仕組み”の集合体なのです。
SNSを「自分を成長させる場」に変えるには
SNSのゲーミフィケーションは、うまく使えば自己成長の原動力になります。
「いいね」の数ではなく発信の内容を磨く
他人と比べず昨日の自分と比べる
「見せたい自分」よりも「共有したい価値」を意識する
これらを意識するだけで、SNSは「承認のためのゲーム」から
「学びやつながりの場」へと変わります。
まとめ
SNSが多くの人を惹きつける理由は、
そこに「報酬」「ランキング」「仲間」「ランダム性」といった
ゲームと同じ構造が隠れているからです。
大切なのは、それを使われる側ではなく、活かす側になること。
SNSの仕組みを理解すれば、
“自分をコントロールする力”も、自然と身につくようになります。
次回(第28回)は、
「教育現場でのゲーミフィケーション活用例」──
学ぶことを“楽しい”に変える新しい教育の形を見ていきます。


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